Jekyll&Hyde(ジキルとハイド) あらすじ

19世紀後半、霧深い晩秋のロンドン。


セント・ジュード病院では、まもなく査問委員会が開かれようとしている。

賛否入り混じる中姿を見せたヘンリー・ジキル博士は、高揚した声である提案をする。

『心の悪を消し去る薬』の人体実験の許可をいただきたい――

しかし、医学界の革命である画期的な研究だというジキルの言葉もむなしく、

ビーコンズフィールド伯爵夫人やストライド男爵によって提案は即刻否定されてしまう。

父であるダンヴァース卿より委員会での失敗を耳にした婚約者のエマはジキルを励ますも、

研究を一笑に付されたジキルの顔は晴れない。


そこで友人アターソンは、気分転換にとジキルを夜の街へ連れ出した。

ロンドンのイーストエンドでは、ルーシーを筆頭に娼婦たちが歌い踊り男たちを誘う。

雰囲気に戸惑うジキルだったが、ルーシーが口にした一言に目の輝きを取り戻す。


「自分で試せばいいじゃないか」


人体実験の許可が得られないのなら、自分自身を実験台にすればいい。

研究室に駆け戻ったジキルは、期待と不安を胸に、自ら薬を服用する。


雄叫びとともに現れたのは一人の男。

自らをエドワード・ハイドと名乗る男は、自由を叫びロンドンの夜の闇へと消えていく。



ほどなくして街では殺人事件が次々と起こる。

犯人はいったい誰なのか。


霧雨のロンドンに潜むは、人の心の善か悪か――